なぜ「画像」と「ランダム学習」が記憶に残るのか──母国語のように中国語を身につける

なぜ「画像」と「ランダム学習」が記憶に残るのか──母国語のように中国語を身につける

外国語を勉強すると、多くの人が最初に手に取るのは単語帳です。

「今日は20単語覚えよう」
「何度も書いて暗記しよう」
「日本語訳を見ながら覚えよう」

こうした勉強法は昔から一般的ですが、「覚えたはずなのに翌日には忘れている」「単語帳では覚えられるのに、実際の会話では思い出せない」と感じた経験がある人も多いのではないでしょうか。

では、私たちは母国語である日本語をどのように身につけたのでしょうか。

赤ちゃんの頃を思い返してみると、答えは意外なほどシンプルです。

私たちは、日本語を暗記して覚えたのではなく、生活の中で自然に身につけてきたのです。

そして、この母国語の覚え方には、中国語をはじめとする外国語学習にも応用できる大切なヒントがあります。

子どもは「勉強」せずに何千語も覚えている

赤ちゃんは辞書を持っていません。

単語帳もありません。

もちろん、「今日は10単語覚えよう」と目標を立てることもありません。

それでも3〜4歳になる頃には数千語もの言葉を理解し、会話ができるようになります。

これは、人間の脳が本来持っている言語習得能力によるものです。

例えば、親がリンゴを持ちながら「りんごだよ」と話しかける。

散歩中に犬を見つけて「わんちゃんがいるね」と言う。

雨の日には傘を差しながら「傘を持とうね」と声を掛ける。

子どもは説明を聞いて理解しているわけではありません。

目の前にある物と、聞こえてくる言葉を何度も結び付けることで、「これは『りんご』なんだ」「これは『犬』なんだ」と自然に覚えていきます。

しかも、その過程で「覚えよう」という意識はほとんどありません。

遊び、食事、買い物、散歩など、日常生活そのものが学習の場になっているのです。

子どもは翻訳せずに言葉を理解している

外国語学習では、

苹果=りんご

书=本

汽车=車

というように、日本語へ訳して覚えることが一般的です。

もちろん、初心者にとって翻訳は必要な助けになります。

しかし、母国語はこのような方法では覚えていません。

日本人が「りんご」という言葉を聞いたとき、頭の中で「Apple」という英単語や「赤い果物」という説明文を思い浮かべることはありません。

リンゴそのものの姿や質感、味や香りが自然と思い浮かびます。

つまり、

言葉 → イメージ

という形で理解しているのです。

外国語でも同じ状態になれば、日本語へ翻訳する時間が必要なくなり、理解や会話のスピードが大きく向上します。

画像が記憶を助ける理由

認知心理学では、「画像優位性効果」という現象が知られています。

これは、文字だけで覚えるよりも、画像と一緒に覚えた情報の方が記憶に残りやすいというものです。

例えば「消防車」という文字だけを見るより、消防車の画像を見る方が瞬時に意味を理解できます。

画像には、

  • 大きさ
  • 質感
  • 用途
  • 周囲の状況

など、多くの情報が含まれています。

脳はこれらを一度に処理するため、文字だけよりも強い記憶が作られます。

また、心理学者のアラン・パイビオが提唱した「二重符号化理論」では、人は「言葉」と「画像」の二つの経路で情報を記憶すると考えられています。

つまり、画像を見ながら中国語を覚えることは、記憶の入り口を二つ作ることになり、思い出しやすさにつながるのです。

「覚える」のではなく「出会う」ことが大切

私たちは「覚えよう」と頑張りがちです。

しかし、人間の記憶は一度見ただけではすぐに忘れてしまいます。

ヘルマン・エビングハウスが示した忘却曲線でも、復習をしなければ短期間で多くを忘れてしまうことが知られています。

では、どうすればよいのでしょうか。

答えは、「何度も出会うこと」です。

子どもが「車」という言葉を一日に何回も聞くように、中国語も何度も目にすることで少しずつ定着していきます。

重要なのは、一度で完璧に覚えることではありません。

「あ、この単語、前にも見た。」

そんな感覚が積み重なることで、脳の中の結び付きは徐々に強くなっていきます。

がぞたんは「辞書」ではなく「日常」を目指しています

がぞたんでは、表示される画像がすべてランダムです。

「動物だけ」「食べ物だけ」と順番に学習することはできません。

最初は少し不便に感じるかもしれません。

しかし、このランダム性には理由があります。

私たちが母国語を覚えた環境を思い出してください。

朝起きれば時計があり、朝食ではご飯や味噌汁を見ます。

外へ出れば信号、自転車、車、花、犬、電車など、さまざまな物が目に入ります。

日常生活では、「今日は動物だけを見る日」「今日は文房具だけを見る日」と決まっているわけではありません。

さまざまな物に偶然出会い、そのたびに言葉と結び付けることで、自然と語彙を増やしてきたのです。

がぞたんも、そのような体験をできるだけ再現したいと考えています。

実際に画像を見ながら学んでみたい方は、 こちらからランダムクイズを始めてみてください。

ランダムだからこそ記憶に残ることもある

教育心理学には、「インターリービング」と呼ばれる学習法があります。

これは、同じジャンルだけを続けて学ぶのではなく、異なる内容を混ぜながら学習する方法です。

一見すると効率が悪そうですが、研究では、長期的な記憶や応用力を高める効果が報告されています。

例えば、

リンゴ

飛行機

ハサミ

ランドセル

というようにジャンルが次々と変わると、脳は毎回「これは何だったかな」と思い出そうとします。

この「思い出す」という作業自体が、記憶を強くすることにつながります。

つまり、ランダムに出題されることは、単なる演出ではありません。

学習の仕方としても、理にかなった一面があるのです。

毎日同じ単語に出会えなくても意味はある

もちろん、ランダム出題なので、昨日見た単語が今日も出るとは限りません。

それでも心配する必要はありません。

日常生活でも、昨日見た物を今日も必ず見るとは限らないからです。

それでも、生活を続ける中で自然と何度も出会い、言葉は定着していきます。

がぞたんでも同じです。

何日か経って同じ画像に出会うこともあれば、数週間後に再び出会うこともあるでしょう。

そのときに、

「この単語、見たことがある。」

「前より早く答えが分かった。」

そんな小さな積み重ねが、長期記憶を育てていきます。

暗記ではなく、自然な理解へ

外国語学習は、どうしても「覚えること」が目的になりがちです。

しかし、本当に目指したいのは、「思い出せること」ではなく「自然に理解できること」です。

画像を見た瞬間に中国語が浮かぶ。

中国語を見た瞬間に物のイメージが浮かぶ。

この状態に近づくほど、中国語は知識ではなく、自分の言葉として使えるようになっていきます。

もちろん、一日で身につくものではありません。

しかし、毎日少しずつ画像に触れ、中国語に触れ続けることで、その結び付きは少しずつ強くなっていきます。

まとめ

私たちは母国語を暗記して覚えたわけではありません。

実物やイラストを見て、言葉を聞き、それを何度も繰り返す中で自然に語彙を増やしてきました。

画像を使った学習は、この母国語の習得方法に近いアプローチです。

さらに、ランダムにさまざまな単語へ出会うことは、実際の日常生活にも近く、記憶を定着させるきっかけにもなります。

がぞたんは、画像を通して中国語が自然に身につく体験を提供するサイトを目指しています。

一問一問を完璧に覚える必要はありません。

気軽に画像を眺め、考え、答えを確認する。その積み重ねが、やがて「中国語を見るとイメージが浮かぶ」「画像を見ると中国語が思い浮かぶ」という感覚へとつながっていきます。

母国語を身につけたように、焦らず、楽しみながら。

それが、がぞたんが大切にしている学習スタイルです。


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